確定申告で迷う!労災保険料と会費は何費?

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 労災保険料と会費を経費にできるか知りたい社長さん
  • 確定申告や決算で使う勘定科目が分からない方
  • 事務組合の領収書をどう仕訳すればよいか迷っている方

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はじめに

「労災保険料は全部経費でいいの?」

「事務組合の会費は何費になる?」

「個人事業主と法人では処理が違うの?」

確定申告や決算の時期になると気になるのが経理処理です。

建設業の社長さんが加入する中小事業主の労災保険。

実は保険料と会費では経理処理が異なります。

さらに個人事業主と法人でも扱いが違います。

今回は領収書の見方から仕訳まで分かりやすく解説します。

労災保険料は経費になる?

まず確認したいのは個人事業主か法人かという点です。

個人事業主の場合

社長本人の特別加入保険料は事業の必要経費になりません。

ただし確定申告で「社会保険料控除」の対象になります。

これは所得から保険料を差し引ける制度です。

事業用口座から支払った場合は「事業主貸」で処理します。

一方で従業員の労災保険料は事業の経費です。

一般的に「法定福利費」を使います。

法人の場合

法人が負担する社長本人の特別加入保険料は「法定福利費」で処理する場合があります。

従業員の労災保険料も一般的に「法定福利費」です。

ただし社長本人が負担する保険料を会社が立て替えた場合は処理が異なります。

会社の負担なのか社長個人の負担なのかを確認しましょう。

事務組合の会費は何費になる?

中小事業主が労災保険に特別加入するには労働保険事務組合への事務委託が必要です。

そのため保険料とは別に会費や事務委託手数料が発生する場合があります。

事業に必要な支払いであれば個人事業主も法人も原則として経費になります。

一般的な勘定科目は次のとおりです。

支払い内容勘定科目
事務組合の会費諸会費
事務委託手数料支払手数料
従業員の労災保険料法定福利費

会費と事務委託手数料は同じではありません。

領収書に書かれた項目を確認することが大切です。

確定申告と仕訳の具体例

例えば事務組合に次の金額を支払ったとします。

支払いの内訳

支払い内容金額
社長本人の特別加入保険料30,000円
事務組合の会費12,000円
合計42,000円

この42,000円を事業用口座から支払った場合の仕訳を紹介します。

個人事業主の仕訳

借方(科目)金額貸方(科目)金額
事業主貸30,000円普通預金42,000円
諸会費12,000円
合計42,000円合計42,000円

【ここがポイント】

特別加入保険料30,000円は事業の必要経費には含めません。

確定申告では社会保険料控除として申告します。

会費12,000円は事業の必要経費として計上します。

法人の仕訳

法人が保険料を負担し法定福利費として処理できる場合の例です。

借方(科目)金額貸方(科目)金額
法定福利費30,000円普通預金42,000円
諸会費12,000円
合計42,000円合計42,000円

【ここがポイント】

特別加入保険料30,000円は法人の費用として処理する例です。

会費12,000円も経費として計上します。

ただし役員本人が負担すべき保険料を法人が支払う場合などは別の処理が必要です。

社長個人の社会保険料控除と二重に計上しないよう注意しましょう。

個人事業主と法人の違いを比較

支払い内容個人事業主法人
社長本人の特別加入保険料事業主貸法定福利費※
事務組合の会費諸会費諸会費
事務委託手数料支払手数料支払手数料
従業員の労災保険料法定福利費法定福利費

※法人の社長本人の特別加入保険料は法人と役員の負担関係などによって処理が異なります。

また会費と事務委託手数料では消費税の扱いが違う場合があります。

領収書や請求書の内訳を確認しましょう。

まとめ

労災保険料と会費は同じ領収書でも経理処理が異なります。

個人事業主本人の特別加入保険料は社会保険料控除の対象です。

法人が負担する特別加入保険料は法定福利費として処理する場合があります。

事務組合の会費は一般的に諸会費です。

事務委託手数料は支払手数料として処理できます。

確定申告や決算では領収書の内訳を確認しましょう。

税務処理に迷った場合は税理士や税務署に確認すると安心です。

中小事業主特別加入RJCでは建設業の社長さんの特別加入をサポートしています。

元請さんから労災保険への加入を求められた方もお気軽にご相談ください。

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ご注意:この記事は2026年11月5日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。