家族が現場を手伝うと一人親方じゃない?労災保険の加入区分

中小事業主マガジン

この記事はこんな人にオススメ

  • 妻や息子など家族と一緒に建設現場で働いている方
  • 家族が手伝うと中小事業主の労災保険に変わるのか知りたい方
  • 自分だけでなく家族も労災保険に加入できるのか知りたい方

はじめに

「妻が現場を手伝うようになった。もう一人親方じゃない?」

「息子と2人で働いているけど中小事業主の労災保険が必要?」

「自分は労災保険に入っているけど家族も補償される?」

家族が建設現場を手伝うようになると労災保険の加入区分が気になりますよね。

実は家族と働いていても一人親方のままでよい場合があります。

ただし事業主本人と家族では加入について確認するポイントが異なります。

今回は家族と一緒に働く建設業の方に向けて労災保険の考え方を解説します。

家族と働いても一人親方のままでいい?

家族が現場を手伝うからといって必ず中小事業主になるわけではありません。

例えば次のような働き方です。

  • 夫婦2人で塗装工事をしている。
  • 同居する息子と大工工事をしている。
  • 同居する父親と電気工事をしている。

このように同居する家族だけで仕事をしている場合は一人親方等の特別加入の対象になることがあります。

判断するときに重要なのは家族以外の従業員がいるかどうかです。

ただし別居している家族の場合や家族でも労働者として働いている場合は扱いが異なることがあります。

家族という理由だけで加入区分が決まるわけではありません。

手伝う家族も労災保険に入れる?

ここで注意したいことがあります。

事業主本人が一人親方労災保険に加入していても家族まで自動的に補償されるわけではありません。

例えば夫婦2人で建設現場に出ている場合です。

夫だけが特別加入していても妻は加入したことになりません。

妻も一人親方等の特別加入の対象となる場合は妻自身の加入手続きが必要です。

「夫が加入しているから妻も大丈夫」というわけではないのです。

また元請会社から現場に入る家族の加入証明書を求められることもあります。

その場合は本人だけでなく家族それぞれの加入状況を確認しましょう。

家族以外の従業員を雇ったらどうなる?

家族だけで働いていたところに新しく従業員を雇う場合は注意が必要です。

一人親方等の特別加入では労働者を使用する日数が年間100日未満かどうかが加入区分を判断する基準の一つです。

労働者を継続して使用する場合や年間100日以上使用する場合は中小事業主等の特別加入を検討する必要があります。

中小事業主等の特別加入では原則として事業主本人だけでなく対象となる家族従事者などもまとめて加入します。

例えば社長と妻が現場で働き従業員も雇っている場合です。

妻が労働者ではなく家族従事者に該当するのであれば原則として社長と妻の両方が特別加入の対象になります。

なお家族が労働者に該当する場合は通常の労災保険の対象になることがあります。

誰を特別加入させる必要があるのかは実際の働き方で判断します。

まとめ

家族が現場を手伝う場合でも一人親方のままでよいことがあります。

ただし次の3点を確認しましょう。

  • 同居する家族だけで働いているのか。
  • 家族以外の従業員を雇っているのか。
  • 現場で働く家族自身の労災保険はどうなっているのか。

一人親方と中小事業主では加入する労災保険の区分が異なります。

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ご注意:この記事は2026年10月27日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。