建設業の社長必見!事務所等労災が必要になったって本当?

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 事務所での事故も労災になるのか気になっている方
  • 従業員を守るために必要な備えを知りたい方
  • 建設業の会社を経営している方

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はじめに

建設業では「労災保険に入っているから大丈夫」と思われている社長さんが少なくありません。

しかし、元請会社から突然、

事務所の労災はありますか?」

現場以外で事故が起きた場合の対応は大丈夫ですか?」

と聞かれて困ってしまうケースがあります。

実は、労災事故は現場だけで起きるものではありません

朝の事務作業中に転倒することもありますし、資材置場でケガをすることもあります。
倉庫の整理中に脚立から落ちることもあります。

ところが、多くの事業主が加入している労災保険の内容によっては、思わぬ場面で補償が受けられないことがあるのです。

もし従業員がケガをしたときに、

その事故は対象外です

と言われたらどうでしょうか。

治療費だけではありません。

休業補償や会社への信頼にも大きく影響します。

今回は、元請会社が事務所労災の有無を気にする理由と、建設業者が見落としやすい注意点についてわかりやすくお話しします。

現場労災が使えないことがある

最近、元請会社から労災保険について細かく確認されるケースが増えています。

その理由のひとつが、2025年11月から労災保険の考え方がより明確になったことです。

簡単に言うと、

「現場の仕事」と「事務所の仕事」は別に考えましょう

というルールがはっきり示されました。

例えば、

・事務所で見積書を作る
・請求書を発行する
・経理業務を行う
・営業活動を行う
・資材置場の管理を行う

このような仕事は、特定の工事現場に直接関係する業務ではありません。

そのため、2025年11月以降は、

現場の労災保険だけではなく、事務所などで行う業務についても適切な労災保険を成立させる必要がある

という考え方が明確になりました。

「うちは建設会社だから現場の労災だけでいいと思っていた」

という社長さんも多いかもしれません。

しかし、行政の考え方としては、

現場で働く人と事務所で働く人では仕事内容が違うため、それぞれに応じた労災保険の管理が必要だという整理になっています。

実際、元請会社の担当者もこの動きを把握しているため、

事務所の労災はどうなっていますか?

と確認するケースが増えています。

ここで答えられないと、書類提出や追加確認を求められることもあります。

労災が起きるのは現場だけじゃない

建設業というと、高所作業や重機作業など危険な現場をイメージします。

もちろん重大事故の多くは現場で発生しています。

しかし、労災事故の原因を詳しく見ていくと、必ずしも現場だけではありません

たとえば、

朝の事務所。

コピー機に向かう途中で床に置かれた資材につまずく。

倉庫。

棚から工具を取り出そうとして脚立から落下する。

資材置場。

積み込み作業中に手を挟む。

営業車。

荷物の積み降ろし中に腰を痛める。

どれも実際によくある事故です。

特に建設業の事務所は、

・資材が置かれている
・工具がある
・倉庫を兼ねている

というケースが少なくありません。

一般的なオフィスよりも危険が多い環境です。

そして忘れてはいけないのが従業員です。

中小企業の社長さんの中には、

「うちは家族みたいな会社だから大丈夫」

と考える方もいます。

ですが事故が起きた瞬間、話は変わります。

従業員には生活があります。

家族もいます。

仕事ができなくなれば収入が減ります。

そのときに補償がなければ、会社とのトラブルになる可能性もあります。

さらに最近は労働者の権利意識も高まっています。

昔のように、

「仕方ないね」

では終わらない時代です。

もし補償されないとなれば、

会社が責任を負うことになるケースも考えられます。

だからこそ元請会社も気にするのです。

下請会社の労災管理が不十分で事故が発生すると、現場全体の信用問題につながるからです。

では、こうした現場以外の事故に備えるにはどうしたら良いのでしょうか。

ここが非常に重要なポイントになります。

現場以外の労災はどうしたらいいのか

結論からお伝えすると、

自社の労災加入状況を正しく確認することが大切です。

意外と多いのが、

加入していると思っていた

というケースです。

社長さんご自身が内容を把握しておらず、

実際には補償範囲が限定されていたということもあります。

建設業では、

・現場作業を行う人
・事務所で働く人
・営業を行う人
・資材管理を行う人

など、さまざまな働き方があります。

それぞれの業務に応じて適切な備えを考える必要があります。

特に従業員を雇用している場合は注意が必要です。

事故が起きてからでは遅いからです。

元請会社から

「労災保険番号を提出してください」

と言われる場面はよくあります。

しかし本当に確認すべきなのは、

その保険で誰がどこまで補償されるのか

という点です。

ここを理解しないまま仕事を続けていると、思わぬタイミングで問題が表面化します。

そして多くの場合、その問題は事故が起きてから発覚します。

事故が起きた後で、

「そんな話は聞いていなかった」

「補償されると思っていた」

となっても状況は変わりません。

だからこそ、事故が起きる前の確認が重要なのです。

実際にどのような加入方法があり、どのようなケースで補償内容が変わるのか。

そのあたりは会社ごとの状況によって異なります。

従業員数や業務内容によっても考え方が変わりますので、一度専門家に確認しておくと安心です。

今は問題なく仕事ができていても、明日事故が起きる可能性は誰にもわかりません。

元請から指摘されて慌てる前に、自社の状況を確認しておくことが大切です。

まとめ

労災保険に入っているから大丈夫

そう思っている建設業の社長さんは少なくありません。

しかし実際には、

・現場労災だけでは対応できないケースがある
・事務所や倉庫での事故が発生している
・従業員のケガなのに補償で困ることがある

という問題が起きています。

そして一番怖いのは、多くの会社が事故が起きるまで気付いていないことです。

元請会社から労災関係の書類提出を求められた時、

「うちは大丈夫だと思います」

では済まない時代になっています。

実は建設業には、社長さんが知らないままになっているもう一つの重要な確認ポイントがあります。

ここを見落としていると、労災保険番号は持っていても現場に入れなくなるケースや、事故後に大きな問題へ発展するケースもあります。

「うちは関係ないと思うけど…」

そう感じた会社ほど、一度確認してみた方がいいかもしれません。

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ご注意:この記事は2026年6月4日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。