前編「うちの税理士、サービスで社保の手続きもやってくれるんだよね」それって本当にタダですか?

中小事業主マガジン
「うちの税理士、サービスで社保の手続きもやってくれるんだよね」 それって本当にタダですか?

この記事はこんな方におすすめです

  • 顧問税理士に「サービス(無料)」として社会保険の手続きまで任せてしまっている経営者
  • 外注コストはできるだけ抑えたいが、コンプライアンス(法令遵守)はしっかり守りたい中小企業の社長
  • 建設業や特別加入制度など、自社の特殊な事情に精通した「本物の専門家」を探している方

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はじめに

社長、もしかして・・・

「うちの税理士はサービスで社会保険の手続きもやってくれるから助かるよ」

なんて思っていませんか?


でも、ちょっと待ってください。

「それって本当にタダですか?」

実はその「サービス」、会社を揺るがす大きなリスクをはらんでいるかもしれません……。

税理士の無料社保手続きは違法リスクがあり、ミスによる損害も補償対象外です。
会社を守るためには、労務手続きは専門の社労士へ適正報酬で依頼することが確実です。

タダより怖いものはない!「サービスでやっておきます」の罠

「顧問税理士がやってくれているから違法じゃないだろう」

これは、大きな誤解です。

顧問税理士が「サービスでやっておくよ」と言ったとしても、

実際には毎月の「顧問料」の中に

その業務に対する対価が含まれていると解釈される可能性もあります

さらに、日本税理士会連合会と全国社会保険労務士会連合会の間で交わされたルール(確認書)においても、報酬の有無で業務の境界線を引いているわけではありません。

実際に、2025年10月には社労士資格を持たない税理士が社労士業務を代行していたとして、社労士法違反の疑いで逮捕されるという衝撃的な事件が起きました。


無料のサービスを受けているつもりが、

実は違法行為の温床になってしまっているかもしれないのです。

書類作成だけでも違法?「役所への提出は自分で」の裏側

税理士と社労士の間で交わされた確認書では、

税理士が本来の業務に「付随」してできるのは「租税債務の確定に必要な事務」の範囲内に限られています。

また、「提出代行」や「事務代理」は税理士の付随業務には含まれないことがはっきりと規定されています。

そのため、「書類は作るから、役所への提出は会社でやってきてくださいと指示する税理士もいるかもしれません。

しかし、そもそも雇用保険や社会保険などの労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成」自体が社労士の独占業務です。

資格のない税理士がこれを行うこと自体がアウト(違法)なのです。

最大の落とし穴!ミスがあっても「補償ゼロ」の恐怖

「知らなかった」「サービスの一環だった」では済まされません。

さらに恐ろしいのは、万が一その税理士が社労士業務でミスをして会社に損害が出た場合、その損害は「税理士の損害賠償保険の支払対象外」になってしまうという事実です。

つまり、経営者側からすれば「タダだと思って頼んでいたのに、実は顧問料としてお金を払わされており、違法行為のリスクを抱え込んだ上に、ミスがあっても一切補償されない」という最悪の事態に陥る可能性があるのです。

まとめ


このような違法なリスクを避け、万が一の損害から会社を守るためには、適正な形での依頼体制を見直す必要があります。

しかし、「ちゃんとお金は払うべきだとわかったけど、できるだけコストは安く抑えたい」というのが経営者の本音ですよね。

では、コストを抑えつつ合法的に手続きを行うにはどうすればいいのでしょうか?

そして、自社に最適な専門家を見つけるためには何に気をつけるべきなのでしょうか……?
(※【後編】へ続く)

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ご注意:この記事は2026年6月4日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。