現場で困らない!社長の労災特別加入「給付基礎日額」の選び方

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 「社長の労災、日額いくらなら現場に入れる?」と悩む元請け・現場監督さん
  • 下請けの社長さんに労災特別加入をすすめたい元請けさん
  • 「とりあえず一番安い3,500円でいいか」と思っている建設業の社長さん

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はじめに

こんにちは!建設業のみなさん、毎日のお仕事本当にお疲れ様です。

現場の安全を守る元請けさんや現場監督さんにとって、下請けの社長さんや職人さんの「労災保険」の確認は欠かせない業務の一つですよね。

特に、社長さんが現場に入るために必要な「労災保険の特別加入」

この手続きのときに必ず直面するのが「給付基礎日額をいくらにするか」という問題です。

「一番安い日額で大丈夫?」

「現場の入場規則に引っかからない?」

そんな疑問をお持ちの元請けさんや現場監督さん、そして現場に入る社長さんに向けて、今回は給付基礎日額の正しい選び方や、最近の現場のトレンドについて、分かりやすくお話ししていきますね!

そもそも「給付基礎日額」ってなに?どうやって決めるの?

まず基本となる「給付基礎日額」についておさらいしましょう。

給付基礎日額とは、万が一、社長さんが現場でケガをしてしまったり、病気になってしまったりしたときに「国から支払われる給付金(休業補償など)の計算の基準になる金額」のことです。

通常の従業員さんであれば、直近のお給料をベースに自動的に計算されるのですが、経営者である中小事業主さんはお給料という形ではないため、自分で金額を選ぶ仕組みになっています。

【給付基礎日額の決め方のポイント】

 基本的には「社長さんの実際の所得(稼ぎ)」に見合った金額を選ぶのがルールです。

ただし、所得が高くても低くても、保険料とのバランスや現場のルールを考えて選ぶことができます。

「保険料を安く抑えたいから、一番低い金額でいいや」と安易に決めてしまうと、いざというときに社長さんご自身や、周りの方が困ってしまうケースがあるのです。

知っておきたい!「3,500円」と「10,000円」の決定的な違い

では、「3,500円」と、「10,000円」では、具体的に何が違うのでしょうか?

元請けさんや現場監督さんにもぜひ知っておいていただきたい、2つの大きな違いをご説明します。

万が一のときの「休業補償」の金額が劇的に違う

労災事故で仕事をお休みすることになった場合、お休み4日目から「休業補償」が支給されます。

その支給額は、給付基礎日額の約80%です。

・日額3,500円の場合:1日あたり一律で2,800円

・日額10,000円の場合:1日あたり一律で8,000円

支払う「保険料」が違う もちろん、補償の手厚さが違うということは、国に支払う年間の保険料も変わってきます。

補償が手厚くなる分、10,000円の方が年間の保険料は高くなりますが、それは「もしものときのための命綱の太さ」の差だと言えますね。

【要注意】いま「10,000円以上」を指定する現場が増えている理由

元請けさんや現場監督さんに特に注目していただきたいのが、最近の「現場の入場制限」の動向です。

実はここ数年、大手ゼネコンを中心とした多くの現場で、「特別加入の日額は10,000円以上でなければ入場を認めない」という自主規制を作る元請けが増加傾向にあります。

なぜ、元請け側が日額を指定するのでしょうか?

理由はとてもシンプルで、「下請けの社長さんが現場で被災したとき、生活が破綻しないように守るため」です。

もし現場で大ケガをして、日額3,500円の補償しか受けられず、下請けの社長さんの生活や会社が立ち行かなくなってしまったら……

元請けとしても非常に心苦しいですし、現場全体の労務管理上の大きなリスク(損害賠償トラブルなど)に発展しかねません。

そのため、安全管理に厳しい現場ほど、「入場条件:日額10,000円以上」というルールを徹底するようになっているのです。

現場監督さんとしては、現場が始まってから「あの社長さん、日額3,500円だから入場できない!」

なんてトラブルは避けたいですよね。

事前に「うちの現場は10,000円以上が必要だよ」と、下請けの社長さんに一声かけてあげることが、スムーズな現場運営の秘訣になります。

後悔しないために!給付基礎日額は「年度途中に変更できない」

ここで、絶対に忘れないでいただきたい超重要ルールをお伝えします。

それは、「給付基礎日額は、年度の途中で変更することが一切できない」ということです。

労災保険の年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとなっています。

例えば、4月に「保険料が安いから3,500円で加入しよう」と手続きをしてしまった場合、秋頃に新しく入った現場から「日額10,000円以上じゃないとダメだよ」と言われても、その場ですぐに10,000円に切り替えることはできません。

もし変更したくなったら?

それは、次の年度(翌年の4月1日)の更新時期まで待つしかありません。

どうしてもその現場に入りたいからといって、一度解約してすぐ再加入するという方法は、国のルールで認められていないのです。

まとめ

「3,500円」と「10,000円」では、万が一のときの休業補償の金額に大きな差が出ること、そして最近は「10,000円以上」を求める現場がどんどん増えていること、さらに年度途中での金額変更はできないこと。

これらのポイントを、ぜひ現場の安全管理の知識として役立てていただけたら嬉しいです。

下請けの社長さんが安心して全力を尽くせる環境を整えることは、現場全体の安全と、素晴らしい建物づくりへの第一歩になります。

「そうは言っても、日額の選び方や手続きってやっぱり複雑そう…」

「うちの下請けの社長さん、どこで加入したらいいか迷っているみたい」

そんなときは、建設業の仕組みを熟知したRJCに頼るのが一番の近道です。

RJCの手続きのスピード感や、現場ごとの細かい相談への対応力は、建設業に特化しているからこそ!

困ったときや、下請けさんから相談を受けたときは、ぜひお気軽にお声がけくださいね。

30年以上の安心と実績、建設業専門RJCにぜひお問い合わせください。

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ご注意:この記事は2026年6月26日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。