「直行直帰の事故って労災?」現場へ向かう途中の怪我、社長と従業員で大違い!

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 現場へ移動中の事故が労災(通勤災害・業務災害)になるか知りたい方
  • 従業員と社長(一人親方・中小事業主)で労災の扱いがどう違うか知りたい方
  • 直行直帰や現場間の移動中に事故が起きた場合の基準を整理したい方

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はじめに

こんにちは!建設業専門の労働保険事務組合、RJCです。

建設業の現場は、常に危険と隣り合わせですよね。

現場へ向かう途中の事故は原則「通勤災害」ですが、社長と従業員、直行直帰か否かで労災になる条件が大きく異なります。

正しい違いと対策を分かりやすく解説しますね!

現場へ向かう途中の事故は労災になる?基本の考え方

建設現場へ向かう途中で自動車事故や転倒事故に遭ってしまったとき、「これって労災になるのかな?」と不安になりますよね。

結論からお伝えすると、自宅から現場や事務所へ向かう移動中の事故は、基本的に「通勤災害(通勤労災)」として認められます。

ただし、労災として認められるためには「合理的な経路および方法」で移動していることが条件です。例えば、移動の途中で個人的な買い物や遠回りをして寄り道(逸脱・中断)をしてしまうと、その間やその後の事故は労災と認められなくなる場合があるので注意が必要です。

移動中の事故は、現場作業中と同じくらい発生しやすいため、まずは「移動のルートが適切だったか」が最初のポイントになります。

「従業員」と「社長(中小事業主)」で労災認定はどう違う?

実は、事故に遭ったのが「従業員(労働者)」か「社長(事業主)」かによって、労災の取り扱いはまったく異なります!

【従業員の場合】 従業員さんは労働者保護の観点から、通勤中の事故は「通勤災害」、勤務時間中の現場間移動などは「業務災害」として手厚く補償されます。

【社長の場合】 一方で、社長は「経営者」という扱いになるため、原則として国の労災保険の対象外です。そのため、移動中に事故に遭っても普通の労災保険からは給付が下りません。

ですが、社長でも「特別加入」という制度に加入していれば話は別です!

特別加入をしていれば、現場作業中だけでなく、現場へ向かう移動中の事故についても労災補償を受けられるようになります。

「直行直帰」や「現場間の移動」で事故が起きた場合の注意点

建設業では、事務所に寄らずに自宅から現場へ直接向かう「直行直帰」や、1日に複数の現場をハシゴする「現場間の移動」が多いですよね。

それぞれの考え方を見ていきましょう。

【直行直帰の場合】 自宅からその日の施工現場へ直接向かうルートは「通勤」とみなされるため、事故が起きた場合は原則「通勤災害」となります。

【現場から現場への移動の場合】 A現場からB現場へ移動している途中の事故は、業務の一環として行われる移動と判断されるため、「通勤災害」ではなく「業務災害」になるのが一般的です。

直行直帰や現場移動の際も、あらかじめ決められた移動ルートを通っていることが前提となります。

現場が変わるたびに移動が発生する建設業だからこそ、この違いをしっかり押さえておきたいですね。

※施工現場ではなく、事務所での事務作業や打ち合わせ、営業活動など「現場に関係ない移動中」に起きた事故については、建設業の現場労災ではなく「事務所等労災」に加入していないと補償の対象外となりますのでご注意ください。

社長が現場移動中の事故に備える方法

「社長である自分や役員が、現場に向かう途中で事故に遭ったらどうしよう……」
と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

万が一の事態に備える唯一の方法が、労災保険の「特別加入」です!

特別加入をしておくことで、現場内でのケガはもちろんのこと、直行直帰を含めた現場への移動中の事故についても、従業員さんと同じように給付を受けることができます。

治療費の自己負担がゼロになったり、休業中の補償が出たりと、残されたご家族や会社を守るために欠かせない備えとなります。

現場へ向かう移動リスクが高い建設業の社長様こそ、特別加入へのご検討を強くおすすめします。

まとめ

現場へ向かう途中の事故は、適切な移動ルートであれば「通勤災害」として労災の対象になります。

しかし、社長の場合は「特別加入」をしていないと補償を受けることができません。

直行直帰や現場間の移動が多い建設業だからこそ、ご自身や会社の万が一に備えて労災保険の加入状況をしっかり確認しておきましょうね。

※施工現場での作業や移動だけでなく、事務仕事や営業移動など現場に関係ない業務・移動もある場合は、あわせて「事務所等労災」への加入が必要となります。

建設業専門の労働保険事務組合RJCなら、建設業に特化した社会保険労務士が在籍しており、24時間WEBから簡単にお申し込みいただけます。

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ご注意:この記事は2026年2月24日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。