建設業の事務所等労災は義務化。保険料はいくらかかるか事例を紹介

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 現場に出るけど、たまに倉庫整理もする」従業員がいる建設業の事業主
  • 事務所労災の保険料申告で、賃金の計算方法がわからず困っている経理担当者
  • 現場の特別加入しかしておらず、事務所作業中のリスクを知りたい建設業の事業主

ネット加入は事務組合RJCしかできない!

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はじめに

建設業の労災は「現場労災(元請負担)」と「事務所労災(自社負担)」の2つが必要です。資材整理や木材加工、事務営業などは事務所労災の管轄です。現場と兼務する労働者の保険料は、業務日報等で時間を区分し、賃金を按分して計算する必要があります。社長の特別加入も現場用と事務所用の併用が推奨されます。

建設業の労災は「2階建て」で考えよう

まず、大前提として建設業の労災保険は2種類あります。

① 現場労災(現場の保険)② 事務所労災(事務所・工場の保険)
対象の場所建設工事の現場内工場、作業場、資材置き場、事務所など
対象の業務現場での建設作業木材加工、製品製造、資材片付け、道具手入れ、事務・営業
保険料負担元請業者が全額負担各事業主(自社)が全額負担

重要なのは、「現場作業以外の業務」はすべて②事務所労災の範囲になるという点です。
もし②に加入していない状態で、倉庫で資材整理中に怪我をすると、現場労災は使えず、費用徴収(ペナルティ)の対象となります。

「兼務する職人」の給与計算、どう分ける?

事務員さんなら給与全額が対象ですが、悩ましいのは「普段は現場だけど、たまに倉庫整理もする職人」の場合です。
資料によると、以下のように計算します。

ポイントは「日報」で時間を分けること

毎月の業務日報や出勤簿で、「現場以外の業務(倉庫整理や営業など)」に何時間使ったかを記録します。
その時間分に相当する賃金だけを、事務所労災の保険料対象として計算します。

【計算例:月給40万円の職人Aさんの場合】

  • 1ヶ月の総労働時間:160時間
  • そのうち、事務所作業(倉庫整理・打合せ):16時間
  • 事務所労災の対象賃金 = 400,000円 × (16時間 ÷ 160時間) = 40,000円

この「4万円」だけを事務所労災の賃金総額として集計します。

保険料は、40,000円×3/1000なので、たった月120円。これだけで従業員をどの作業からも守ることができるのです。
※もし「時々やる」程度の曖昧な管理だと、賃金の全額を算入することになり、保険料が割高になる可能性があります。

社長も要注意! 特別加入の「穴」

社長や役員、家族従事者は「労働者」ではないため、労災保険の対象外です。
そのため「特別加入」が必要ですが、ここにも落とし穴があります。

  • 現場労災の特別加入:現場での事故しか補償されません。
  • 事務所労災の特別加入:事務所や倉庫での事故しか補償されません。

「現場も行くし、事務所で作業もする」という社長は、両方の特別加入(併用加入)をしないと、どちらかの業務中に無保険状態が発生します。
※ただし、株主総会出席や接待など、事業主本来の業務中の事故は対象外です。

事故が起きたら「遡って加入」はできない

最も怖いのが、「事故が起きてから加入すればいいや」という考えです。
資料にはっきりと「遡っての加入はできません」と記載されています。

万が一、未加入の状態で従業員や社長が倉庫作業中に大怪我をした場合、治療費や休業補償はすべて自己負担となります。
そうならないためにも、以下の準備が必要です。

1.特別加入を見直す(現場だけでなく事務所用も加入する)

2.日報をつける習慣をつける(現場とそれ以外を分ける)

3.事務所労災を成立させる(労働者が1人でもいれば義務)

まとめ

事務所労災の手続きや計算は、「現場労災」に比べて非常に手間がかかります。
特に兼務者の賃金計算は、日報管理ができていないと正確な申告ができません。

しかし、これを怠ると「現場以外のすべての業務」が無保険という大きなリスクを抱えることになります。
計算が複雑で不安な場合は、建設業専門の労働保険事務組合RJCに委託し、正確な処理と社長の特別加入をセットで行うことをお勧めします。

ネット加入は事務組合RJCしかできない!

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ご注意:この記事は2026年2月18日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。