「給付基礎日額って何?」現場で急に言われて困っている建設業の社長さんへ基礎から解説!

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 元請けから労災番号の提出を求められて、急いで手続きをしたい社長さん
  • 現場監督から「労災の特別加入に入って、給付基礎日額を決めて」と言われたけれど、意味が分からなくて困っている社長さん
  • 自分に合った「日額」がいくらなのか、損をしない選び方を知りたい社長さん

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はじめに

「社長、現場に入る前に労災の特別加入の証明書を出して。あと、給付基礎日額はいくらにしてる?」

現場監督さんから突然こんな風に言われて、「きゅうふきそにちがく……?何それ?」と頭を抱えていませんか?

毎日朝早くから現場に出て、ヘトヘトになるまで職人さんたちと汗を流している社長さんにとって、
聞き慣れない専門用語ばかりの書類仕事は本当に頭が痛いものですよね。
ただでさえ「労災番号がないと現場に入れない」なんて言われて焦っているのに、
これ以上ややこしい言葉を出されると、調べるのも嫌になってしまうお気持ち、とてもよく分かります。

でも、安心してくださいね。この「給付基礎日額」というのは、仕組みさえ分かってしまえば、実はとってもシンプルなものなのです。

今回は、最近同じように労災保険に加入したばかりの建設業の仲間として、
そして少しだけ先にこの仕組みを勉強した先輩として、
どこよりも分かりやすく「給付基礎日額」についてお話しします。

給付基礎日額ってなぁに?一言でいうと「万が一のときにもらえる日給」のこと!

まず、一番大切な「給付基礎日額(きゅうふきそにちがく)」という言葉の正体からお話ししますね。

これ、漢字がズラズラと並んでいていかにも難しそうですが、一言でいってしまうと
「万が一、現場でケガをして仕事を休むことになったとき、国から毎日もらえるお給料の基準(日給)」のことなのです。

私たち建設業の社長は、会社員や雇われている職人さんとは違って「事業主」という立場になります。普通、国の労災保険というのは「雇われている労働者」を守るためのものなので、実は社長自身はそのままでは労災保険の対象外になってしまうのです。

「えっ、俺だって現場で誰よりも動いてるし、ケガをするリスクは職人と同じなのに!」と思いますよね。

そう、まさにその通りなのです。
建設業の社長さんは、現場で自ら重い資材を運んだり、高所に登ったりすることも多いはずです。
それなのに、ケガをしても一銭も補償が出ないなんて、怖くて現場に立てないですよね。

そこで用意されているのが、社長さんでも特別に労災保険に入れる「特別加入」という制度です。

そして、この特別加入に入るときに、国に対して
「私は現場でこれくらい稼いでいるので、もしケガをして動けなくなったら、毎日これくらいのお金を国から支給してくださいね」と、自分で事前に決める「仮の日給」のこと、これが「給付基礎日額」の正体なのです。

例えば、この日額を高く設定しておけば、万が一現場で事故に遭って入院してしまったとき、
国から支払われる休業補償(毎日もらえるお金)の額が多くなります。
逆に、この日額を低く設定していると、もらえるお金も少なくなってしまいます。

「じゃあ、高ければ高いほどいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ここにはちょっとした仕組みがあります。

もらえる金額(給付基礎日額)を高く設定すると、毎月または毎年支払う「保険料(掛け金)」もその分高くなります。
逆に、設定を低くすれば、毎月の保険料は安く抑えられます。

つまり、「毎月の支払いを安く抑える代わりに、いざというときの補償もそこそこにするか」
「毎月の支払いは高くなるけれど、いざというときの生活をしっかり守るか」
というバランスを、社長さん自身で選ぶ必要があるということなのです。

現場監督さんが「日額はいくらにしてる?」と聞いてくるのは、「万が一のとき、社長の生活がちゃんと成り立つような設定にしてあるよね?」という確認でもあるわけですね。

建設業専門だから話が早い!私たち中小事業主がRJCを選ぶべき理由

給付基礎日額の意味が分かったところで、
次に問題になるのが「じゃあ、どこでその特別加入の手続きをすればいいの?」ということです。

ネットで検索すると、たくさんの団体や組合が出てきて、どこを選べばいいのか余計に混乱してしまいますよね。
ただでさえパソコンやスマホでの作業が苦手なのに、専門用語ばかりのサイトを見ていたら、
それだけで日が暮れてしまいます。

そこで、同じように「難しい書類は苦手」「とにかく早く、簡単に労災番号がほしい」という
建設業の社長さんに知っていただきたいのが、「中小事業主特別加入RJC」です。

RJCの最大の強みは、なんといっても「建設業専門」の団体であるということです。

世の中にある労災の組合には、飲食業や小売業、運送業など、いろんな業種の人がごちゃまぜで入っているところも少なくありません。
そういうところに電話をして相談しようとすると、窓口の担当者が建設業の現場のルールや言葉を全く分かっていなくて、話がすれ違うことがよくあります。

「元請けからこういう書類を出せって言われたんだけど…」と言っても、
「少々お待ちください、確認します」と何度も待たされたり、的外れな回答が返ってきたりして、
イライラした経験はありませんか?

その点、RJCは建設業専門ですから、とにかく話が早いです。
社長さんが「現場監督から労災番号を急ぎで求められて困っている」「明日からの現場に入りたい」と言えば、
「それならこの手続きを急ぎましょう!」と、こちらの状況をすぐに察してくれます。

現場の苦労やスピード感を分かってくれている相手だからこそ、ややこしい説明を抜きにして、最短ルートで話が進むのです。
この「話が通じる安心感」は、毎日忙しく現場を回している社長さんにとって、何よりも心強い味方になるはずです。

さらに嬉しいのが、「スマホで簡単に申し込める」という点です。

わざわざ事務所に戻ってパソコンを開いたり、平日の昼間に役所の窓口に並んだりする必要は一切ありません。
現場の休憩時間に、車の中でスマホをポチポチと操作するだけで、あっという間に手続きが進んでしまいます。

文字を読むのが苦手な社長さんでも、画面の指示に従って簡単な項目を入力していくだけなので、迷うことがありません。
これなら、現場が終わった後のクタクタな状態でも、ストレスなく労災の準備を整えることができますよね。

いくらにすればいいの?RJCで選べる「3,500円」と「10,000円」の分かれ道

さて、ここからが一番気になる本題です。
「じゃあ、実際に申し込むとして、給付基礎日額はいくらに設定すればいいの?」という疑問にお答えします。

国が定めている給付基礎日額にはいくつかの段階があるのですが、
中小事業主特別加入RJCでは、建設業の社長さんのニーズに合わせて、
主に「3,500円」または「10,000円」という2つの分かりやすい選択肢から選ぶことができるようになっています。

「金額が3倍近く違うけれど、俺はどっちを選べばいいんだろう?」と迷ってしまいますよね。

この2つの金額には、それぞれ全く異なる「目的」があります。
社長さんが今、何を一番優先したいかによって、選ぶべき金額がガラリと変わってくるのです。

まず、「3,500円」を選ぶべきなのは、以下のような社長さんです。

  • とにかく元請けや現場監督から「労災番号」を出せと言われていて、現場に入るための条件を一番安くクリアしたい
  • 毎月の固定費(保険料)を限界まで抑えたい
  • 万が一のときの補償は、自分で入っている民間の生命保険や医療保険でカバーするから、国の労災は最低限の加入だけでいい

この「3,500円」という設定は、いわば「現場に入るための通行手形」としての役割を最優先したプランです。
毎年の保険料をぐっと安く抑えられるため、「とりあえず労災の証明書が手に入ればいいんだ」という社長さんには、とてもお財布に優しい選択肢になります。

一方で、「10,000円」を選ぶべきなのは、以下のような社長さんです。

  • 自分が現場で大ケガをして動けなくなったら、会社の売り上げが止まってしまい、家族や生活を守れなくなる
  • 民間の保険にはあまり入っていないので、国の労災でしっかりとした休業補償(生活費の足しになるお金)を確保しておきたい
  • 現場の作業内容が体への負担が大きく、ケガのリスクが比較的高いと感じている

この「10,000円」という設定は、まさに「実用的なお守り」です。
実際にケガをして働けなくなったとき、毎日の生活を支えるための十分な金額が国から支給されるようになるため、社長さん自身だけでなく、大切なご家族を守るための大きな安心材料になります。

「安さを取るか、安心を取るか…」 こうして並べてみると、自分にはどちらが合っているのか、
なんとなくイメージが湧いてきたのではないでしょうか?

ただ、ここで一つ、注意しなければならない重要なポイントがあります。
実は、この給付基礎日額の選び方には、元請け会社や入る現場によっては「ある裏ルール」が存在することがあるのです。

「えっ、自分で自由に選んでいいんじゃないの?」と思った社長さん、
実はそうとも言い切れないのが、建設業界のちょっぴり複雑なところなのです。

もし、ご自身で「よし、じゃあ安い方の3,500円にしよう!」と決めて申し込んでしまった後で、
現場に行ってから「あ、社長、うちの現場は3,500円の日額じゃ入場できないよ」なんて
言われてしまったら、せっかくの手続きが台無しになってしまいますよね。

一体、現場が求めてくる「日額の基準」とは何なのでしょうか?
そして、なぜ金額によって現場に入れなくなるようなことが起こるのでしょうか?

それについてはまた別のマガジンでお伝えしますね。

まとめ

給付基礎日額について、少しはイメージが湧きましたでしょうか?
難しく見えた言葉も、「万が一のときの日給」だと思えば、すんなり理解できたのではないかと思います。

せっかく汗水垂らして働く大切な現場ですから、労災の手続きの手違いで入場を断られるようなことだけは絶対に避けたいですよね。

損をせず、現場からも文句を言われない正しい日額の選び方や、
社長さんの状況に合わせた最適なプランの決め方には、実はもう少しだけ知っておくべきコツがあります。

「うちの現場の場合はどっちがいいんだろう?」
「元請けに提出する書類で困っているんだけど、これで合っているのかな?」

そんな風に少しでも不安に思ったり、もっと詳しく話を聞いてみたいと思ったりしたときは、
一人で悩まずに、ぜひ専門の窓口を頼ってみてくださいね。

お困りごとは、「中小事業主特別加入RJC」にご相談ください!

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ご注意:この記事は2026年6月22日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。