一人親方を雇用した時の雇用保険と中小事業主の手続き完全ガイド

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 元一人親方を雇った際、具体的にどんな書類をどこに出すか知りたい社長さん
  • 従業員の雇用保険と、社長自身の労災保険(特別加入)の仕組みを詳しく知りたい方
  • 初めて従業員を雇うため、何をすればいいか分からない方

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はじめに

建設業の社長さん、毎日の現場仕事お疲れ様です!

「今まで一人親方としてうちの現場を手伝ってくれていた職人さんを、これからはうちの社員として正式に雇うことになったよ!」という嬉しい転機を迎えている社長さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

大まかな流れは分かっても、いざ手続きとなると「具体的に何をどうすればいいの?」と疑問が湧いてきますよね。

書類の提出先や、万が一手続きを忘れてしまったときのリスクなど、知っておかないと後から大損してしまうポイントもあります。

そこで今回は、元一人親方を雇用した際の手続きについて、専門知識がなくても1から10までしっかり分かるように、さらに一歩踏み込んで詳しく解説します!

なぜ「一人親方の脱退」と「雇用保険の加入」が絶対にセットなのか?

日本の法律では、「一人親方(個人事業主)」と「従業員(雇われている人)」は、完全に区別されています。

  • 一人親方:自分で仕事を受け、自分の責任で働く人(=一人親方労災に加入)
  • 従業員:社長の会社に雇われ、お給料をもらって働く人(=会社の労災保険・雇用保険に加入)

これまで一人親方だった人を雇うということは、その職人さんの立場が「個人事業主」から「従業員」に変わるということです。

1人の人が「一人親方」と「従業員」の両方の立場を同時に持つことはできません。
そのため、これまで入っていた一人親方労災はしっかり「脱退」してもらい、新しく会社の「雇用保険」に入れるという、セットの手続きが絶対に必要になります。

従業員の「雇用保険」手続きに必要な書類と提出先

職人さんを雇ったら、社長の会社が窓口となって「雇用保険」の加入手続きをします。

  • どこに出すの?:会社の住所を管轄している「ハローワーク」です。
  • いつまでに出すの?:職人さんを雇った月の「翌月10日」までです(例:4月1日に雇ったら、5月10日まで)。
  • 必要な書類は?:「雇用保険被保険者資格取得届」という書類を出します。また、従業員を雇うのが初めてという場合、「雇用保険の新規成立」という手続きが必須です。詳しくはのちほど解説します。
  • 職人さんからもらう情報は?:その職人さんの「年金番号」や、昔どこかで雇用保険に入っていたことがある場合は「雇用保険被保険者番号(雇用保険証)」を預かってください。

この手続きをすることで、その職人さんは万が一会社を辞めることになっても失業手当がもらえるようになり、安心して働けるようになります。

初めて従業員を雇うなら必須!「雇用保険の新規成立」とは?

もし、社長の会社で従業員を雇うのが「今回が初めて」という場合、注意が必要です。実は、職人さん個人の登録をする前に、「うちの会社はこれから雇用保険を始める会社になります」という会社自体の登録(新規成立手続き)をしなければなりません。

会社としての雇用保険をスタートさせる(新規成立)ためには、ハローワークに以下の書類をセットで提出します。

  • 「雇用保険適用事業所設置届」(会社を登録する書類)
  • 「雇用保険被保険者資格取得届」(雇った職人さんを登録する書類)
  • 添付書類(会社の登記簿謄本や、営業許可証のコピー、雇った人の労働条件通知書など、必要書類はハローワークごとに異なります)

つまり、初めての雇用のときは、会社としての登録書類と、職人さん個人の登録書類を同時にハローワークへ出すことになる、と覚えておいてくださいね。

社長自身の労災保険「中小事業主の特別加入」が必要な理由と手続き

職人さんを雇って「従業員がいる会社」になったら、社長さん自身の労災保険についても真剣に考えなければなりません。

従業員が現場でケガをした場合は、会社の労災保険から治療費や休業補償が全額出ます。
しかし、社長さんは「労働者」ではなく「経営者」になるため、現場でどれだけ大ケガをしても、通常の労災保険は1円も使えません。
もちろん、元々社長さんが一人親方労災に入っていたとしても、従業員を雇った時点で一人親方労災は無効になってしまいます。

そこで必要なのが、「中小事業主」の特別加入です。

これは、従業員が1人でもいる建設業の社長さんが、特別に国の労災保険に加入できる制度です。
これに入っておけば、現場でケガをしたときに従業員と全く同じ手厚い補償(治療費無料、お給料の約8割の補償など)が受けられるようになります。

よくある質問

【質問1】一人親方の労災保険を脱退させないとどうなりますか?
【回答】そのままにしていると、職人さんは使えない保険のために無駄な保険料を払い続けることになってしまいます。また、従業員としてのケガなのに一人親方労災を使おうとすると、トラブルの原因になりますので必ず脱退させてください。

【質問2】雇用保険の手続きはどこで行えばいいですか?
【回答】会社の住所を管轄している「ハローワーク(公共職業安定所)」の窓口で行います。また、RJCでは忙しい社長様のために雇用保険の手続きを代行するサービスも提供しています。

【質問3】社長である私自身も、一人親方労災に入ったままではダメですか?
【回答】従業員を雇った時点で、社長さんは一人親方ではなくなります。一人親方労災は使えなくなりますので、社長さんも一人親方を脱退して、新しく「中小事業主」としての特別加入に切り替える必要があります。

【質問4】手続きが遅れてしまったらどうなりますか?
【回答】雇用保険の手続きが遅れると、さかのぼって加入手続きをする必要があり、書類が増えて面倒になります。また、社長さんの労災特別加入の手続きをしていない期間に現場でケガをしても、一切補償が受けられないので、早めの手続きが安心です。

まとめ

一人親方だった人を雇用するときは、本人の立場を切り替えるだけでなく、会社としての雇用保険の新規成立や、社長さん自身が「中小事業主」として新しい労災保険(特別加入)に入り直す絶好のタイミングです。
ここをしっかり整えておくことで、社長も従業員も、万が一のときに会社を守ることができます。

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ご注意:この記事は2026年5月21日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。