現場外の事故は対象外?建設業の中小事業主を守る労災保険の知恵

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 建設業の会社を立ち上げたばかりの社長さん
  • 「現場の労災に入っているから大丈夫」と思っている方
  • 難しい法律の話は苦手だけど、リスクは避けたい方

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はじめに

建設業を営む社長さん、毎日お疲れ様です!

現場での事故に備えて「労災保険」に入っているから安心、と思っていませんか?
実は、建設業の労災には「落とし穴」があります。

現場を一歩離れた場所で事故が起きたとき、保険が使えず、社長が数千万円ものお金を個人で支払わなければならないケースがあるのです。

今回は、会社と家族を守るための「命綱」となる、労働保険の仕組みについて優しく解説します。

建設業の労災保険が「2つ」に分かれている理由

一般的なお店や工場なら、働く場所はいつも同じですよね。でも建設業は、工事ごとに現場が変わります。
そのため、法律では「現場の仕事」と「それ以外の仕事(事務所や倉庫)」を別々に分けて考えるルールになっています。

これを難しい言葉で「二元適用(にげんてきよう)」と言います。

お手元の番号をチェック!「末尾5」だけでは足りない?

今すぐ、会社にある「労働保険料の通知書」を見てみてください。そこに書かれた番号の一番右端の数字は何番ですか?

  • 「5」の場合(現場労災) 元請として管理している「工事現場の中」だけを守る保険です。
  • 「6」の場合(事務所労災) 事務所、倉庫、資材置き場、移動中など「現場以外のすべて」を守る保険です。

もし「5」の番号しか持っていないなら、現場の外で起きた事故に対して、今は「無保険」の状態かもしれません。

「現場の外」で起きる3つの怖い事故パターン

「現場労災(末尾5)」では守ってもらえない、よくある事故を紹介します。

  • 倉庫での準備中 明日の現場のために、自社の倉庫で木材を切ったり、重機を整備したりしている時のケガ。
  • 移動中や運搬中 事務所から現場へ向かう途中や、現場から資材を持って帰る途中の交通事故。
  • 見積もりや下見 まだ契約していない現場へ、下見や見積もりに行った時のケガ。

これらはすべて「現場の中」ではないので、末尾5の保険は使えません。

事務員がいなくても「事務所労災」が必要なワケ

「うちは事務員がいないから、事務所労災(末尾6)はいらないよ」と仰る社長さんも多いです。

でも、実はこの保険、職人さんを守るためのものでもあるんです。
職人さんが倉庫で荷積みをしている時間は、労災上では「現場作業員」ではなく「事務所のスタッフ」と同じ扱いになります。

つまり、事務員ゼロの会社でも、職人さんが現場の外で動くなら必ず入らなければいけない保険なのです。

年間数千円を惜しんで数千万円を失うリスク

もし「末尾6(事務所労災)」に入っていない時に、従業員が倉庫で大きな事故に遭ったらどうなるでしょうか。

国がいったん治療費などを肩代わりしてくれますが、その後、社長に「本来入るべき保険に入っていなかった罰」として、数千万円単位の請求が来ることがあります。

年間の保険料は数千円から数万円程度。これを惜しんで会社を潰してしまっては本末転倒ですよね。

まとめ

「難しくてよく分からない…」という社長さんは、「労働保険事務組合」に相談するのが一番の近道です。

面倒な書類作成や計算をすべてお任せできるので、社長さんは本業の現場仕事に集中できます。
また、事務組合に委託することで、社長さん自身も労災に入れる「特別加入」ができるようになりますよ。

お困りごとは、「中小事業主特別加入RJC」にお任せください!

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ご注意:この記事は2026年5月13日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。