事業主の労災保険は日雇いでも対象?特別加入の盲点

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 元請けの安全担当者様や現場監督
  • 現場に入る下請けの建設業社長
  • 「日雇い労働者を一人だけ雇う予定」という事業主

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はじめに

日雇いを1人でも雇うと、社長は「労働者」ではなく「事業主」扱いとなり、通常の労災保険が使えなくなります。

現場に入る社長が安心して働くためには、建設業専門の労働保険事務組合RJCでの「特別加入」が必須です。

その仕組みを優しく解説しますね。

建設現場で大混乱?「日雇いだから労災は不要」という大きな誤解

「明日の現場、忙しいから日雇いのアルバイトを1人だけ呼ぼう」

建設業の現場では、このような急な人員の手配が日常茶飯事ですよね。

でも、ここで多くの元請けや現場監督、そして下請けの社長が勘違いしてしまうポイントがあるんです。

それは、「たった1日の日雇いだし、数日だけの契約だから、労災保険の手続きなんて気にしなくて大丈夫だよね?」という思い込みです。

実は、これが大きな落とし穴。労働基準法や労災保険のルールにおいて、「日雇いだから手続きは不要」なんていう特例はありません。

たった1日、数時間だけの勤務であっても、人を雇って働いてもらう以上、そこには重大な法的な責任が発生するのです。

日雇いでも「従業員を雇っている事業主」扱いになる理由

「うちには社員はいないから、私は『一人親方』だよ」

とおっしゃる社長はとても多いです。

しかし、法律上の区分は非常にシビアにできています。

結論からお伝えしますね。 「日雇いであっても、従業員を雇っている事業主という扱いになる」のです。

たとえ、その日雇い労働者の方との契約が1日限りであっても、給料を支払って仕事を指示した時点で、その社長は「労働者(一人親方)」ではなく、「人を雇う側(中小事業主)」に変わります。

一人親方であれば「一人親方労災保険」に加入して現場に入ることができます。

しかし、日雇いを1人でも雇った瞬間に、その保険の対象からは外れてしまうのです。

つまり、日雇いを雇っている状態で万が一社長自身がケガをしてしまっても、一人親方の労災保険からは1円も給付が受けられないという恐ろしい事態を招いてしまいます。

「知らなかった」では済まされないのが、現場の安全と労災のルールなのです。

現場に入る社長の強い味方!「事業主の労災保険(特別加入)」とは?

では、日雇いを雇いながら自らも現場で汗を流す社長は、どうすれば自分自身の身を守ることができるのでしょうか?

そこで必要になるのが、「事業主の労災保険(特別加入)」です。

本来、労災保険というのは「労働者」を保護するための制度です。

そのため、会社の経営者や個人事業主である社長本人は、どれだけ危険な現場仕事をしていても、通常の労災保険の対象にはなりません。

ですが、建設業の社長はご自身も現場に入って職人さんと同じように作業をされますよね。

そこで、国は「労働者と同じように危険な仕事をする中小企業の社長も、特別に労災保険に加入していいですよ」という救済措置を設けています。

これが「中小事業主の特別加入」です。

日雇いであっても従業員を雇っている以上、社長が現場で安心して働くためには、この特別加入への手続きが絶対に欠かせません。

なぜ元請けや現場監督が、下請け社長の特別加入を気にするべきなのか

現場監督や元請けの安全担当者様の中には、「下請けの社長個人の労災なんて、自己責任じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、現代の建設業界において、現場で重大な事故が起きた際の元請けの道義的・法的な責任は年々重くなっています。

もし、現場に入る下請けの社長が、日雇いを雇っているにもかかわらず特別加入をしておらず、現場で大きなケガをしてしまったらどうなるでしょうか。

  • 社長自身の治療費や休業補償が一切出ない
  • 元請け側の安全配慮義務違反を問われ、大きなトラブルに発展する
  • 現場の工事がストップし、工期や信用に甚大な影響が出る

このように、下請け社長の労災未加入は、現場全体、ひいては元請けご自身の会社を揺るがす大問題に繋がってしまうのです。

だからこそ、現場に入る前に「社長、ちゃんと中小事業主の労災保険(特別加入)に入っていますか?」と確認していただくことが、現場を守る何よりの盾になります。

建設業特化の「RJC」が選ばれる理由

中小事業主の特別加入をするためには、国の認可を受けた「労働保険事務組合」に事務委託をする必要があります。

しかし、事務組合ならどこでもいいというわけではありません。

特に建設業は、他の業界に比べて工期の変動や現場の出入りが激しく、専門的な知識が求められます。

そこでオススメしたいのが、「RJC」です。

実は、事務組合のRJCは建設業に特化した唯一の事務組合なんです。

建設業界の複雑な雇用形態や現場のルールを熟知した、建設業専門の社会保険労務士が多数在籍しているため、一般的な事務組合では対応が難しいようなイレギュラーな相談にも、スピーディーかつ的確にお答えすることができます。

まとめ

いかがでしか?

「日雇いだから大丈夫」というちょっとした油断が、社長ご自身だけでなく、元請け様や現場全体を巻き込む大きなリスクになってしまうことがお分かりいただけたかと思います。

日雇いでも、従業員を雇っている事業主という扱いになること。

そして、その社長様が現場に入るためには「事業主の労災保険(特別加入)」がどうしても必要になることを、ぜひ周りの社長にも教えてあげてくださいね。

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ご注意:この記事は2026年7月16日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。