【従業員0から1人の壁】一人親方労災から中小事業主に切り替えるタイミング

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 「俺も職人を雇ったし、そろそろ一人親方じゃマズイのかな?」と薄々気づいている社長さん
  • 元請けの現場監督から「労災番号がないと次の現場に入らせないよ」と言われて焦っている社長さん
  • 難しい書類や手続きの話になると、頭が痛くなって後回しにしてしまう社長さん

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はじめに

建設業の社長さん、毎日現場の切り盛りにお疲れ様です!

現場をこなすうちに腕を認められ、仕事が増えてくると
「そろそろ下請けじゃなくて、自分のところで職人を雇ってガッツリ稼ごう!」となりますよね。
若い衆を1人、2人と雇って、会社らしくなっていくのは本当に素晴らしいことですし、経営者として大前進です。

でも……ちょっと待ってください。
社長さん、ご自身の「労災保険」は、一人親方の時のままで止まっていませんか?

「え?ちゃんと毎月お金を払って一人親方の労災に入っているから、何があっても大丈夫でしょ?」 もしそう思っているなら、実はものすごく危険な状態です。

最悪の場合、現場でケガをしても1円も保険金が下りないばかりか、元請けさんから
「明日から現場に来なくていいよ」とクビを言い渡されてしまう引き金になるかもしれないのです。

なぜ、従業員を雇うと今の一人親方労災ではダメになってしまうのか。
その驚きの理由と、社長さんの身を守るための「正しい切り替え方法」について、分かりやすくお話ししていきますね。

従業員が「0人」から「1人」になった瞬間に、一人親方の魔法は解けてしまう?

現場の社長さんからよくこんなお電話をいただきます。
「先生、今までずっと一人親方労災に入ってたんだけど、先月から若い奴を1人正社員として雇ったんだよね。俺の保険はそのまま継続でいいんだよね?」

結論からハッキリ言いますね。 絶対にそのままではダメです!

国のルールでは、一人親方というのは「労働者を雇わずに、自分1人(または家族だけ)で仕事を請け負う人」と厳しく決まっています。
つまり、従業員が「0人」の職人さんのための特例なんです。

それが、アルバイトだろうが、正社員だろうが、「たった1人」でも雇ったその瞬間に、
社長さんは法律上「一人親方」ではなくなり、「中小事業主(経営者)」という立場に変身します。

「立場が変わるだけで、中身は同じ職人なんだからいいじゃないか」と思うかもしれません。
ですが、国の保険はそんなに甘くありません。

立場が変わったということは、入るべき労災保険のメニューもガラリと変わります。
一人親方用の労災保険は、あくまで「1人でやっている人」のためのもの。
従業員を雇った社長さんがそのまま持っていると、それは「中身がすっからかんの、使えない紙切れ」になってしまうのです。

「うちはまだ法人化してないし、個人事業主だから大丈夫」というのも勘違いです。
会社にしていなくても、職人を1人でも使っていれば、一人親方労災は使えなくなってしまいます。

では、使えないままにしておくと、具体的にどんな恐ろしいことが起きるのでしょうか?

知らなかったじゃ済まされない!一人親方のままだと「万が一」の時に保険が下りない恐怖

「でもさ、現に今も一人親方労災のカードを持ってるし、お金も引き落とされてるよ?使えないってどういうこと?」

そう疑問に思うのも無理はありません。
保険の組合は、社長さんが裏で誰かを雇ったかどうかまでは、把握できません。
だから、手続きをしない限り、一人親方のカードは手元に残り続けます。

本当に怖いのは、「現場で大ケガをして、病院に運ばれた時」です。

建設業の現場は、どれだけ気をつけていても上から物が落ちてきたり、足場から足を踏み外したりと、命がけの瞬間がありますよね。
もし社長さんが現場で大ケガをして、動けなくなってしまったとします。

病院に救急搬送され、手元にある一人親方の労災カードを出して「労災でお願いします」と申請します。
ここまではスムーズにいくかもしれません。
しかし、その後に国(労働基準監督署)の厳しい調査が入ります。

「この事故が起きた時、現場には誰がいましたか?」
「社長、最近職人を雇い始めましたよね?給料を支払った台帳を見せてください」

ここで「従業員を雇っている事実」がバレてしまうのです。
国からすれば、「社長さんは一人親方じゃないのに、一人親方の保険を使い続けていた」ということになります。

そうなると、どうなるか。
「あなたには一人親方の受給資格がありませんので、今回のケガの治療費や、動けない間の休業補償は、1円も支給しません」と、バッサリ切り捨てられてしまいます。

治療費は全額自己負担。
現場を休んでいる間の生活費もゼロ。
それなのに、雇っている職人への給料や、事務所の経費は毎月容赦なく出ていきます。
想像しただけでゾッとしますよね。

万が一の時に家族や会社を守るために入っているはずの保険なのに、切り替えを忘れていたせいで、
ただの「掛け金の捨て損」になってしまうのです。

現場監督が手ぐすね引いて待っている?「労災保険番号」を出せない社長の末路

さらに、社長さんを追い詰めるのは怪我のリスクだけではありません。
最近、元請けの現場監督さんたちのチェックがめちゃくちゃ厳しくなっているのをお気づきですか?

「社長、次の現場に入る前に、新しい『中小事業主の労災保険番号』が書かれた書類を提出してくださいね」

現場に入る前の書類手続きで、このように監督から釘を刺されるケースが急増しています。

元請け会社も、下請けの違法状態を放っておくと自分たちが大ペナルティを受けてしまいます。
そのため、現場監督も必死なんです。

社長さんが「いや、まだ一人親方のしかなくて……」なんて濁そうものなら、現場監督の顔色は一変します。

「従業員がいるのに一人親方労災のままなんですか?それ、偽装一人親方って言われて、うちの現場には入れられませんよ。番号がちゃんと出るまで、明日からの入場は見合わせてください」

そうなれば、明日からの仕事が突然なくなります。
一緒に連れていくはずだった職人たちも手持ち無沙汰になり、元請けさんからの信用は一気にガタ落ち。
次の仕事の発注なんて、とてもじゃありませんが期待できなくなってしまいます。

現場監督に言われてから慌てて手続きをしようとしても、お役所の書類はややこしく、どこに何を提出すればいいのかサッパリ分からない……。
時間ばかりが過ぎていき、現場の工期は遅れ、元請けからは毎日催促の電話が鳴り響く。

そんな地獄のような板挟みに、ある日突然、社長さんは立たされてしまうかもしれないのです。

まとめ

従業員を1人でも雇ったら、一人親方から「中小事業主の特別加入」へガチッと切り替えないと、
保険も下りなければ現場にも入れないという最悪の事態になってしまうこと、お分かりいただけたでしょうか?

「理屈は分かった。でも、日中は現場に出ていて役所に行く暇なんてないし、そもそも文字がびっしり書かれた難しい書類なんて見たくもないよ!」

そう頭を抱えてしまう社長さん、どうぞご安心ください。

私たち「中小事業主特別加入RJC」は、他の一括りの保険組合とは違います。
私たちは「建設業専門」の中小事業主向け労災保険を取り扱うプロフェッショナルです。

建設業の仕組みや、現場の社長さんがどんな風に毎日忙しくされているかを熟知しています。
ですから、とにかく話が早いのが自慢です。

「元請けから急に書類を出せって言われて困っている」
「自分の場合は、具体的にどのタイミングでどう切り替えればいいの?」

そんな風に少しでも不安になったり、現場監督から言われた言葉の意味が分からなくて困ったりしたときは、
一人で悩まずに私たちを頼ってくださいね。

社長さんがこれからも安心して若い衆を育て、現場でバリバリ稼ぎ続けるために、
裏方のややこしい手続きはすべて私たちがサポートいたします。

お困りごとは、「中小事業主特別加入RJC」にご相談ください!

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ご注意:この記事は2026年6月29日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。