建設業のカスハラ対策が義務化へ 中小事業主が備えるべき対応策

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 従業員を雇っている建設業の社長さん
  • 元請けからの厳しい要求やクレームに悩んでいる方
  • カスハラ対策の義務化を初めて知った方

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はじめに

「元請けからの厳しい要求には、どこまで応えるべきなのか…」
現場を抱える建設業の社長にとって、取引先との関係性は非常に悩ましい問題です。
実は現在、法律が改正され、2026年から企業に対する「カスハラ対策」が義務化されるのをご存知でしょうか。
「うちは小規模だから関係ない」という認識のままでは、法令違反を問われるリスクがあります。
今回は、建設業におけるカスハラ対策について、事業主が今すぐ知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。

建設業も対象!2026年カスハラ対策が義務化へ

法改正により、2026年10月から企業に対するカスハラ(カスタマーハラスメント)対策が義務化されます。
この法律は特定の業界だけでなく、建設業も対象です。
従業員を1人でも雇っている中小事業主であれば、対策を講じなければ法律違反となる可能性があります。

カスハラとは、顧客や取引先からの理不尽で悪質な要求のことです。
建設業においては、一般の施主からのクレームにとどまりません。
立場が上になりがちな「元請け」からの過剰な要求や暴言なども、カスハラの対象に含まれます。
現場で働く従業員を理不尽なストレスから守ることは、事業主の法的な義務となるのです。

元請けからのクレーム、どこからがカスハラになる?

では、具体的にどのような言動がカスハラに該当するのでしょうか。
法律では、以下の3つの条件を全て満たすものがカスハラと定義されています。

① 取引先や顧客(元請けや施主など)からの言動であること
② 社会通念上「明らかに許容範囲を超えている」要求であること
③ その言動によって従業員の就業環境が害されること

例えば、「契約にない無償の追加工事を執拗に強要される」「現場で大声で怒鳴られる」「人格を否定するような暴言を吐かれる」「土下座を求められる」などはカスハラに該当する可能性が高いです。
一方で、業務上の正当な注意や、安全管理のための厳しい指摘はカスハラにはなりません。
この線引きを理解し、理不尽な要求には毅然と対応する基準を持つことが重要です。

会社と従業員を守る!社長がやるべきカスハラ対策

義務化に向けて、中小事業主はどのような準備を始めればよいのでしょうか。
まずは、以下のステップから体制を整えていきましょう。

初めに、「自社はカスハラを許容しない」という明確な方針を定め、従業員全員に周知することです。
次に、「現場でトラブルがあった際、誰にどう報告するか」という社内の相談窓口を設置します。
従業員が一人で抱え込まず、すぐに会社へ相談できる環境を作ることが、組織を守る第一歩です。
今のうちから、もしもの時の対応マニュアルやルールを少しずつ整備しておきましょう。

まとめ

建設業においても、元請けや施主からの理不尽な要求に対するカスハラ対策は、避けて通れない経営課題となります。
従業員が安心して現場で働ける環境を作るため、事業主がいち早く行動を起こし、体制を整えることが不可欠です。

また、従業員を現場の危険から守るためには、労災保険の準備も忘れてはいけません。
現場で「労災に加入するように」と言われて焦っている中小事業主の方は、早めの手続きが必要です。
安全な労働環境と万全の保険を備えて、強い会社を作っていきましょう!

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ご注意:この記事は2026年9月30日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。