労災保険は使える?中小事業主と一人親方の現場熱中症対策

中小事業主マガジン

この記事はこんな方におすすめです

  • 現場で働く社員や職人さんの熱中症対策を具体的に知りたい社長さん
  • 万が一、熱中症になってしまったときの労災保険の認定基準を知りたい方
  • 中小企業の社長や一人親方自身が熱中症になったときの備えを固めたい方

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はじめに

こんにちは!毎日暑い中、現場の指揮や経営、本当にお疲れ様です。

夏が近づくと心配なのが、現場での「熱中症」ですよね。
建設業の現場は照り返しも強く、コンクリートやアスファルトに囲まれて室温・気温が上がりやすいため、特に熱中症のリスクが高いと言われています。

今回は、建設業の現場でできる熱中症対策や、「熱中症は労災保険の対象になるの?」という疑問について、分かりやすくお話しします。

建設業の現場で絶対にやりたい熱中症対策

厚生労働省のパンフレットでは、夏の安全な現場づくりのために、科学的で具体的な熱中症対策を強く呼びかけています。建設業の現場で特に社長さんに指揮をとっていただきたいポイントをまとめました。

体調チェックと「不調」を見逃さない声かけ
寝不足や二日酔い、風邪気味の人は熱中症になりやすいです。朝礼の時に顔色をチェックしたり、作業中もお互いに声をかけ合える雰囲気を作りましょう。

「WBGT値(暑さ指数)」の活用
気温だけでなく、湿度や日差しの強さを取り入れた「暑さ指数(WBGT)」を現場で計測しましょう。これが基準値を超える場合は、作業時間を短くしたり、休憩を多めに入れるなどの判断が必要です。

こまめな水分・塩分の補給(具体的な量)
「喉が渇いた」と感じる前に、定期的に水分と塩分を摂るルールを作ります。目安としては、15分〜20分ごとにコップ1杯程度の水分を補給するのが理想です。現場にスポーツドリンクや塩飴を常備しておきましょう。

体を冷やす環境とグッズの準備
直射日光を遮るテント(休憩所)を張り、そこにお冷や、扇風機、シャワーなどを設置します。また、現場で働く皆さんにファン付きの作業服(ファン服)や、首元を冷やすネッククーラーを支給するのも効果的です。

仕事中の熱中症が「労災保険」と認められる基準とは?

仕事中に熱中症になってしまった場合、労災保険の対象になります。
ただし、風邪などとは違って、法律(労働基準法)で決められた「一般的な認定基準」をクリアする必要があります。

具体的には、以下の2つのポイントが重要になります。

  • ① 仕事中に、熱中症を引き起こすような「苦渋環境」にいたこと
    炎天下の建設現場での屋外作業や、通気性が悪くて熱がこもりやすい屋内での作業など、明らかに「熱中症になりやすい環境で仕事をしていた」という事実が必要です。
  • ② 体調の崩れ方が熱中症の症状と一致し、仕事以外の原因がないこと
    作業中にめまいや頭痛、だるさなどの症状が出て、病院で医師から「熱中症」と診断される必要があります。また、前日からの個人的な重い病気など、仕事と関係のない別の原因がないことが条件になります。

これらが認められれば、治療費(療養補償給付)や、仕事を休んだ期間の休業補償(休業補償給付)が労災保険から全額支給されます。

社長や一人親方も危険!熱中症リスクと「特別加入」の必要性

ここで、建設業の社長さんが一番気をつけておかなければならない点があります。それは、社長さんご自身や、現場を一人で守る一人親方のことです。

実は、普通の労災保険は「労働者(従業員)」を守るための制度です。そのため、会社の経営者である中小事業主や、労働者を使わずに働く一人親方は、現場でいくら激しい作業をしていても、そのままでは労災保険の対象外になってしまいます。

もし、社長さんや一人親方が現場で熱中症で倒れて救急搬送され、何日も入院することになったらどうなるでしょうか?

  • 現場の作業がストップしてしまい、納期が遅れる
  • 治療費はすべて自己負担(健康保険は使えないケースがあります)
  • 動けない間の売上・収入がゼロになってしまう

このような大ピンチを防ぐために用意されているのが、国の救済制度である「特別加入」です。

特別加入の手続きをしておけば、中小事業主や一人親方であっても、従業員と同じように仕事中の熱中症やケガに対してしっかり労災保険が適用されます。

現場の最前線で働く社長さんや一人親方の皆様だからこそ、熱中症という目に見えないリスクからご自身とご家族を守るために、特別加入は絶対に必要な備えなのです。

まとめ

建設現場での熱中症は、最悪の場合、命に関わる重大な災害です。

「うちの現場は大丈夫」と油断せず、環境づくりを徹底しましょう。
そして、従業員だけでなく、中小事業主や一人親方の皆様ご自身を守るための労災保険の準備も忘れないでくださいね。

「特別加入ってどうやって手続きするの?」
「毎月の費用はどれくらい?」
など、少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

お困りごとは、「中小事業主特別加入RJC」にお任せください!

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ご注意:この記事は2026年5月20日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。