【自宅兼事務所の社長へ】「事務員いないし関係ない?」2025年10月から事務所労災の新ルール

中小事業主マガジン

この記事はこんな人にオススメ

  • 自宅の部屋を事務所にしていて、事務員は奥さん(役員)だけ、またはいない社長
  • 「現場の保険さえあれば、仕事中の怪我はなんとかなる」と信じている方

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はじめに

2025年10月からルールが変わり、事務員がいなくても「倉庫整理」や「現場の下見」をする可能性があるなら、事務所労災への加入が義務になりました。

これを無視すると、過去の保険料までまとめて請求される恐れがあります。現場の保険だけでは「下見中の事故」は補償されません。

「立派な事務所」がなくても加入義務!?

「事務所労災」という名前が誤解の元です。
国のルールでは、ビルやテナントを借りているかどうかは関係ありません。

【10月からの新常識】
たとえ自宅のリビングが事務所でも、事務員がいなくても、以下の作業をする「見込み(可能性)」が少しでもあるなら、あなたは加入しなければなりません。

  • 自宅のガレージやトラックの荷台で、翌日の資材を準備する
  • 雨の日に、自宅の物置(倉庫)で道具の手入れをする
  • 仕事を取るために、着工前の現場へ「下見(見積もり)」に行く

これらは全て「現場の仕事」ではなく、「事務所の仕事」とみなされます。
「現場仕事のついでだから」という言い訳は、もうお役所には通用しません。

「過去の分まで払え!」と言われる恐怖

なぜ今、急に厳しくなったのでしょうか?
それは国の会計検査院(お金の使い道をチェックするところ)が、「建設業者から保険料をちゃんと取れていないじゃないか!」と怒ったからです。

これを受けて、2025年10月から取り締まりが強化されています。
もし、あなたが「事務所労災」に入っていないことがバレたら(例えば、倉庫での怪我で労災を使おうとした時など)、監督署からこう言われる可能性があります。

「本来は〇年前から入るべきでしたね。では、過去数年分の保険料をまとめて払ってください」

これを「遡及(そきゅう)徴収」と言います。
数十万円、場合によってはそれ以上の請求が突然やってくるリスクがあります。「事故が起きてから入ればいいや」という甘い考えは、会社の財布を直撃します。

その「下見」、命がけの無保険ドライブです

お金の話以上に怖いのが、あなた自身の命の保障です。
実際にあった「広島の裁判(最高裁判決)」を知っていますか?

ある建設社長が、新しい仕事のために「現場の下見」に行き、その帰りに事故で亡くなりました。
社長は「現場の保険」に入っていたので、当然出ると思われましたが……国が出した答えは「0円」でした。

理由はシンプルです。
「下見は、まだ工事が始まっていないから『現場作業』じゃない。それは『事務所(営業)の仕事』だ」

つまり、現場用の保険しか入っていなかった社長は、「現場の外」に出た瞬間、無保険状態だったのです。
あなたも「下見」や「資材購入」に行きますよね? その移動中に事故に遭っても、今のままでは家族に1円も残せない可能性が高いのです。

解決策:RJCで「事務所労災」を作ろう

「でも、うちは売上も小さいし、難しい手続きなんて無理……」
そう思う方こそ、建設業専門の「RJC」を頼ってください。

RJCなら、小規模な事業者や、自宅兼事務所の社長様に合わせた手続きが可能です。

社長をフルガードする
その上で、社長の特別加入を「現場作業」だけでなく「事務所作業(下見含む)」もカバーできるようにセットします。

「見込み」で作る
「事務員はいませんが、社長が下見や倉庫整理をします」という前提で、最小限の「事務所労災」を作ります。

結論:「青いチラシ」は無視しないで!

元請から配られている「青いチラシ」は、単なる案内ではありません。
「このルールを守れない業者は、コンプライアンス違反だから現場に入れなくなるよ」という警告です。

自宅兼事務所の社長様。
「バレなきゃいい」の時代は終わりました。
RJCに相談して、「過去にさかのぼって請求されるリスク」を消し、「未来の自分の命」に正しい保険をかけてください。

ご注意:この記事は2026年2月3日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。