ついに全国最低賃金1,000円超え!賃金アップをケチると会社が潰れる

中小事業主マガジン
ついに全国最低賃金1,000円超え!賃金アップをケチると会社が潰れる

この記事はこんな人にオススメ

  • 建設業を営む中小企業の社長
  • 人手不足の中、賃金改定に悩んでいる方
  • 従業員との信頼関係を築きたいと考えている方

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最低賃金って、そもそも何?

最低賃金とは、国が定めた賃金の最低ラインです。
法律で定められているため、事業主は必ずこの金額以上の賃金を従業員に支払わなければなりません。もし最低賃金を下回る賃金を支払った場合、50万円以下の罰金などの罰則が科せられる可能性があります。

最低賃金には、主に2つの種類があります。

  • 地域別最低賃金
    • 各都道府県ごとに定められている、一般的な最低賃金です。
      ほとんどの労働者や事業所に適用されます。
  • 特定最低賃金
    • 一部の特定の産業にだけ適用される、より高い金額の最低賃金です。

建設業の多くの職種には、この地域別最低賃金が適用されます。もし貴社の事業が特定の産業に該当するかご不安な場合は、各都道府県の労働局で確認することをお勧めします。

令和7年度の最低賃金引き上げ、なぜ今やるべきなのか?

【令和7年度の最低賃金改定について】

2025年8月4日に中央最低賃金審議会が答申した令和7年度の最低賃金改定目安に基づき、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議が進められ、新しい地域別最低賃金が決定されました。

今年の全国加重平均は1,121円となり、これは目安制度が始まって以来、過去最高額の大幅な引き上げです。

この引き上げにより、地域によっては大きな上昇率となるため、企業の人事担当者や経営者の方は、自社の所在地だけでなく、従業員が勤務する地域の最低賃金を必ず確認し、適切に対応することが重要です。

令和7年度 地域別最低賃金表

以下の表は、令和7年度の各種都道府県の最低賃金一覧です。

都道府県名前年度最低賃金引上げ額最低賃金時間額発行予定日
北海道1,010円65円1,075円2025年10月4日
青森953円76円1,029円2025年11月21日
岩手952円79円1,031円2025年12月1日
宮城973円65円1,038円2025年10月4日
秋田951円80円1,031円2026年3月31日
山形955円77円1,032円2025年12月23日
福島955円78円1,033円2026年1月1日
茨城1,005円69円1,074円2025年10月12日
栃木1,004円64円1,068円2025年10月1日
群馬985円78円1,063円2026年3月1日
埼玉1,078円63円1,141円2025年11月1日
千葉1,076円64円1,140円2025年10月3日
東京1,163円63円1,226円2025年10月3日
神奈川1,162円63円1,225円2025年10月4日
新潟985円65円1,050円2025年10月2日
富山998円64円1,062円2025年10月12日
石川984円70円1,054円2025年10月8日
福井984円69円1,053円2025年10月8日
山梨988円64円1,052円2025年12月1日
長野998円63円1,061円2025年10月3日
岐阜1,001円64円1,065円2025年10月18日
静岡1,034円63円1,097円2025年11月1日
愛知1,077円63円1,140円2025年10月18日
三重1,023円64円1,087円2025年11月21日
滋賀1,017円63円1,080円2025年10月5日
京都1,058円64円1,122円2025年11月21日
大阪1,114円63円1,177円2025年10月16日
兵庫1,052円64円1,116円2025年10月4日
奈良986円65円1,051円2025年11月16日
和歌山980円65円1,045円2025年11月1日
鳥取957円73円1,030円2025年10月4日
島根962円71円1,033円2025年11月17日
岡山982円65円1,047円2025年12月1日
広島1,020円65円1,085円2025年11月1日
山口979円64円1,043円2025年10月16日
徳島980円66円1,046円2026年1月1日
香川970円66円1,036円2025年10月18日
愛媛956円77円1,033円2025年12月1日
高知952円71円1,023円2025年12月1日
福岡992円65円1,057円2025年11月16日
佐賀956円74円1,030円2025年11月21日
長崎953円78円1,031円2025年12月1日
熊本952円82円1,034円2026年1月1日
大分954円81円1,035円2026年1月1日
宮崎952円71円1,023円2025年11月16日
鹿児島953円73円1,026円2025年11月1日
沖縄952円71円1,023円2025年12月1日
全国加重平均額1055円66円1,121円

発効予定日は、答申公示後の異議の申出の状況等により変更となる可能性があります。

賃金が最低賃金を下回っていないか確認する方法

「うちの会社は月給制なんだけど、どうやって確認すればいいの?」
そう思われた社長のために、厚生労働省の資料を参考に、最低賃金額と自社の賃金を比較する方法を、シンプルにご紹介します。

最低賃金額以上かどうかを確認するには、まず、賃金を時間あたりの金額に換算して、最低賃金(時間額)と比較します。
支払い方法ごとの計算方法は以下の通りです。

時間給制の場合
時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)

日給制の場合
日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)

月給制の場合
月給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)

【月給制の具体的な例】
例えば、ある地域の最低賃金が1,100円だったとします。
基本給:180,000円
1日の所定労働時間:8時間
年間所定労働日数:260日

この場合、まず1ヶ月の平均所定労働時間を計算します。
(8時間 × 260日)÷ 12ヶ月 = 約173.3時間

次に、月給を1ヶ月の平均所定労働時間で割って、時間あたりの賃金を計算します。
180,000円 ÷ 173.3時間 = 約1,038円
この1,038円を最低賃金の1,100円と比較すると…
1,038円 < 1,100円
となり、最低賃金を下回ってしまいます。

このように、月給制の場合でも、時給に換算してチェックすることが大切です。

最低賃金の対象にならない手当は?

「賃金」といっても、最低賃金と比べる対象になるものとならないものがあります。

最低賃金の計算に含めるのは、毎月決まって支払われる基本的な賃金です。具体的には、以下の手当などは最低賃金の計算から除外して考えます。

  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金、休日割増賃金など)
  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

これらの手当は、従業員の賃金総額には含まれますが、最低賃金の確認をする際には計算に含めませんので、ご注意ください。

最低賃金への対応を「攻めの経営」に変えるには

「最低賃金が上がって人件費が増える…」とネガティブに捉えるのではなく、これを機に会社の給与体系を見直すチャンスだと考えてみませんか?

建設業界は慢性的な人手不足です。
給与を単に最低賃金に合わせるだけでなく、従業員が「この会社で長く働きたい」と感じるような賃金体系を構築することで、優秀な人材の定着や、新しい人材の獲得につながります。

例えば、

  • 頑張りを正当に評価する明確な評価制度を導入する
  • 資格手当や役職手当を新設して、スキルアップを促す
  • 勤続年数に応じた手当で、長く働くメリットを提示する

このような取り組みは、従業員のモチベーション向上にもつながり、会社の生産性アップにも貢献します。最低賃金の引き上げを「単なるコスト増」ではなく、「会社の未来への投資」と捉え、前向きに対応していきましょう。

まとめ

今回は、令和7年度の最低賃金引き上げの概要と、自社の賃金が適正か確認する方法、そして給与体系の見直しのヒントについて解説しました。

RJCでは、建設業専門の特定社会保険労務士が、社長の悩みを解決するサポートを行っています。雇用保険や社会保険の社労士顧問も承っておりますので、安心して本業に専念できるよう、私たちにご相談ください。

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ご注意:この記事は2025年8月15日時点の情報に基づいて書かれています。
時間の経過により内容が変更されている可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。
監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。