ろうさい太郎さんのプロフィール
年齢 | : | 40歳 |
---|---|---|
家族構成 | : | 妻・息子(高3)・娘(高1) |
仕事 | : | 足場工事業 独立して10年 従業員は2人 |
一人親方の労災保険ではダメだと言われた!
ろうさい太郎さんが今入っている建設業の労災保険は、一人親方の労災保険です。従業員を雇っているけれど同じ労災保険なんだから今のままでいいと思い、年度更新もしました。
ところが、ある現場で突然「一人親方の労災保険ではダメだ」と現場監督に言われてしまい、なんとその仕事を請けることができませんでした。実は、ろうさい太郎さんは従業員を雇っているので、一人親方の労災保険はいざという時に使えないのです。せっかく加入しているのに、労災保険が使えないばかりでなく、それを理由に現場監督に仕事を断られてしまいました。
現場で突然こう言われたら困ってしまいますね。
こんなときどうすればいいか、元厚生労働事務官の林がお答えします。
【本記事の監修】
はやし
みつる
林
満
元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門
労働保険事務組合RJC アドバイザー
あなたの労災保険は大丈夫?
こんな状況、心当たりありませんか?
従業員を雇っているけど…
適当に更新してるけど
このままでいいの?
一人親方と中小事業主の
違いがよくわからない
そもそも・・・
一人親方と中小事業主の
違いって?
労災保険の特別加入制度は、建設業で働く労働者でない方でも、労災保険による保護を図るために特別に任意加入することを認めた制度です。
建設業の労災保険の特別加入には、一人親方としての加入と中小事業主としての加入があります。
あなたは中小事業主?
一人親方の労災保険ではダメって言われますよ!
建設業の中小事業主に当てはまる方が一人親方労災保険に加入している場合、万が一の労災事故の際に、一人親方ではない為保険料が給付されません。その為、必要な労災保険に加入していないという理由で、現場に入れないことがあります。
中小事業主 労災保険の適用範囲
労働者が建設現場で労働災害に遭った場合、元請・下請にかかわらず、労災保険から補償を受けることができます。
一方、建設現場では中小事業主・個人事業主・取締役が、労災保険の特別加入をしていないと、現場に入場することができません。労災事故が起きても補償を受けることができません。
建設業の労災特別加入制度とは
労災保険は、本来、労働者を対象とした制度です。しかし、業務の実態や災害の発生状況から、労働者以外の方でも特別に保護することが適当であると認められる場合に、任意加入を認めているのが特別加入制度です。
中小事業主が労災保険に特別加入するには、以下の条件を満たす必要があります。
① 従業員1名以上を雇用していること
従業員とは、建設現場に従事する現場監督や現場作業員などの労働者を指します。従業員数は1名以上300人以下です。
② 建設業を営む個人または法人の経営者であること
経営者とは、建設工事の請負を営む者(役員や取締役)を指します。
兼業も可能です。
③ 労働保険事務組合に労働保険事務を委託していること
労働保険事務組合とは、労働保険の事務を処理する国(厚生労働大臣)から認可を受けた団体です。
特別加入申請書(様式34号の7)は、労働保険事務組合を経由して管轄の労働基準監督署へ提出します。
事業主が直接申請することはできません。
元厚生労働省 厚生労働事務官
厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門
労働保険事務組合RJC アドバイザー
林 満
はやし みつる