建設業におけるインボイス登録申請書の書き方マニュアル

中小事業主マガジン

この記事はこんな人にオススメ

  • インボイス制度に登録したい中小事業主の方
  • インボイス登録申請書の書き方が分からない方
  • インボイス登録に必要な手続きをスムーズに進めたい方

インボイス登録申請書 書き方

インボイス制度は、2023年10月1日から施行された制度です。適格請求書発行事業者として登録することで、仕入税額控除を受けられるようになります。 ここでは、インボイス登録申請書の書き方について、個人事業主と法人のそれぞれについて詳しく解説します。

個人事業主のインボイス書き方ポイント

建設業は、大きく分けて「ゼネコン」と呼ばれる総合建設業者と、特定の工事に特化した「専門業者」に分けられます。ゼネコンは、設計から施工まで一括して請け負うことが多い一方、専門業者は、鉄筋工、電気工、水道工、塗装工など、それぞれの専門分野の工事を請け負います。

建設業の種類と特徴

個人事業主の方がインボイス登録申請書を作成する場合、以下の点に注意する必要があります。

① 氏名

氏名は、苗字と名前をそれぞれ正確に記入します。苗字と名前の間には1文字空けます。

② 生年月日

生年月日は、西暦で8桁の数字で記入します。例えば、1980年1月1日は「19800101」となります。

③ 住所

住所は、現住所を正確に記入します。都道府県、市区町村、番地、建物名などを省略せずにすべて記入します。

④ 事業内容

事業内容は、具体的に簡潔に記入します。例えば、「建設業」、「飲食店」、「美容院」などとなります。

⑤ 課税期間

課税期間は、インボイス制度に登録したい課税期間を記入します。例えば、2024年1月1日から2024年12月31日までの課税期間に登録したい場合は、「令和6年1月1日~令和6年12月31日」となります。

⑥ 登録希望日

登録希望日は、希望する登録開始日を記入します。ただし、登録希望日が過去の日付の場合は、登録できません。

⑦ 個人番号

個人番号は、13桁の数字で正確に記入します。

⑧ その他

上記以外にも、必要事項をすべて正確に記入します。記入漏れがあると、登録申請が受理されない可能性があります。

法人が押さえるべきポイント

法人がインボイス登録申請書を作成する場合、以下の点に注意する必要があります。

① 名称

名称は、登記簿に記載されている正式名称を記入します。

② 本店又は主たる事務所の所在地

本店又は主たる事務所の所在地は、登記簿に記載されている住所を正確に記入します。

③ 代表者氏名

代表者氏名は、代表取締役の氏名を正確に記入します。

④ 事業年度

事業年度は、会社の決算期となる期間を記入します。例えば、2023年1月1日から2023年12月31日までの事業年度の場合は、「令和5年1月1日~令和5年12月31日」となります。

⑤ 資本金

資本金は、登記簿に記載されている資本金の金額を記入します。

⑥ その他

上記以外にも、必要事項をすべて正確に記入します。記入漏れがあると、登録申請が受理されない可能性があります。

インボイス登録の適格請求書制度

インボイス制度は、適格請求書発行事業者として登録することで、仕入税額控除を受けられる制度です。適格請求書とは、インボイス制度に基づいて発行された請求書のことです。

適格請求書には、以下の情報が記載されている必要があります。

  • 発行事業者の氏名または名称
  • 住所
  • 電話番号
  • 課税期間
  • 登録番号
  • 適格請求書発行事業者である旨の表示
  • 請求書発行年月日
  • 請求書番号
  • 取引先事業者の氏名または名称
  • 住所
  • 課税期間
  • 登録番号
  • 商品または役務の名称
  • 数量
  • 単価
  • 課税対象額
  • 消費税額
  • 合計金額

適格請求書を発行するには、インボイス発行ソフトなどのツールを使用する必要があります。

登録申請書の提出手順

インボイス登録申請書は、以下の手順で提出することができます。

① 必要書類を準備する

インボイス登録申請書には、以下の書類が必要です。

  • インボイス登録申請書
  • 登記事項証明書(法人の場合)
  • 本人確認書類(個人事業主の場合)

② 提出方法を選択する

インボイス登録申請書は、以下の方法で提出することができます。

  • 郵送
  • クラウドシステム

③ 郵送による提出方法詳細

郵送で提出する場合は、以下の手順で提出します。

  1. 必要書類を準備する
  2. インボイス登録申請書に必要事項を記入する
  3. 登記事項証明書(法人の場合)または本人確認書類(個人事業主の場合)を添付する
  4. 返信用封筒に住所と氏名を記入し、切手を貼る
  5. 上記書類を、所轄の税務署に郵送する

④ クラウドシステムでの申請手続き

クラウドシステムで提出する場合は、以下の手順で提出します。

  1. 国税庁の「e-Tax」にログインする
  2. インボイス登録申請書を選択する
  3. 必要事項を画面に入力する
  4. 添付書類をアップロードする
  5. 送信する

⑤ 提出後の確認

提出後、国税庁から確認の連絡が届きます。確認の連絡が届いたら、登録手続きが完了したことになります。

インボイス登録申請の前提条件

インボイス登録申請を行うためには、以下の前提条件を満たす必要があります。

<事業者に必要な要件と条件>

  • 課税事業者であること
  • 格請求書発行事業者として登録する意思があること
  • 適格請求書を発行できる体制を整備していること

<適格な請求書作成のポイント>

  • 適格請求書発行事業者である旨の表示
  • 登録番号
  • 課税対象額
  • 消費税額

交付通知の期限と注意事項

登録申請後、2週間以内に交付通知書が送付されます。 交付通知書は、大切に保管してください。

記入例と記載項目の詳細

・登録シートサンプルと説明

▼国税庁のサイトをご参照ください。

D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁

・氏名や法人番号の記入方法

氏名は、苗字と名前をそれぞれ正確に記入します。法人番号は、13桁の数字で正確に記入します。

・適切な税額控除表記の意義

適格請求書には、課税対象額と消費税額を正確に記載する必要があります。これにより、仕入税額控除を正しく受けることができます。

インボイス登録制度の概要

インボイス制度は、消費税法に基づく制度です。課税事業者は、原則としてインボイス制度に登録する必要があります。

免税事業者は、インボイス制度に登録する必要はありません。課税事業者は、原則としてインボイス制度に登録する必要があります。

個人事業主は、インボイス制度に登録することで、仕入税額控除を受けられるようになります。

システム導入の際の準備作業

・業務管理と税務署の連携

インボイス制度に対応するためには、業務管理システムと税務署の連携が重要になります。

・DX推進による業務効率

インボイス制度に対応することで、業務のデジタル化(DX)が推進されます。

・税理士との打ち合わせの重要性

インボイス制度は複雑な制度であるため、税理士との打ち合わせが重要になります。

決算処理と仕訳への影響

販売仕入帳票の変化

インボイス制度に対応するためには、販売仕入帳票の様式を変更する必要があります。

インボイス制度は、消費税手続きと密接に連動しています。

インボイス制度は、法人税務署の管理業務にも影響を与えます。

登録後の免税取引の手続き

消費税の支払い方法と節税手法

インボイス制度に登録することで、消費税の支払い方法や節税手法が変わります。

事業者間取引においては、インボイス制度に対応した取引を行う必要があります。

インボイス制度に対応するためには、電子帳簿保存法にも対応する必要があります。

義務化される税務署審査手続き

・請求書の公開と基本審査

税務署は、適格請求書の公開と基本審査を行います。

・DX化によるチェックポイント

DX化によって、税務署の審査体制も変化します。

・法改正に伴う改善措置の実施

インボイス制度は、法改正に伴い改善措置が実施される予定です。

具体的な改善措置の内容は、現時点では未定ですが、以下のようなものが考えられます。

  • 適格請求書の発行要件の緩和
  • 登録申請手続きの簡素化
  • 税務署の審査体制の強化
  • 電子帳簿保存法の改正

インボイス制度は、今後も変化していく可能性があります。最新の情報は、国税庁のホームページ等で確認することをおすすめします。

まとめ

インボイス制度は、建設業にとっても重要な制度です。インボイス制度を理解し、適切に対応することで、節税対策や業務効率化、経営基盤の強化に役立てることができます。

監修者の紹介

林満

元厚生労働省 厚生労働事務官

厚生労働大臣認可 愛知労働局長認可 建設業専門

労働保険事務組合RJC アドバイザー

林 満

はやし みつる

1971年に労働省(現厚生労働省)愛知労働基準局に入局。以降、名古屋東労働基準監督署や瀬戸労働基準監督署、愛知労働局で労災補償課および労働保険適用課にて奉職。適用指導官、職業病認定調査官、労災第一課長、労災保険審査官、労災管理調整官を歴任。特に特別加入制度の手続きや給付に関する相談対応に精通し、職業病認定調査官や労働者災害補償保険審査官としても活躍。2022年までの50年以上にわたる実務経験を持つ労災保険のエキスパート。現在はスーパーゼネコンの安全協力会において特別加入の相談指導を行っている。