
建設業の労災保険の特別加入は一人親方と中小事業主の2種類があります。
ここでは、間違えやすい一人親方と中小事業主の労災保険について解説していきます。
また、人を雇ったら気になるのが従業員の労災保険です。
アルバイトが仕事中にケガをしてしまったら・・・そんな不安もこれを読めば解決できます。
個人事業主の労災保険
はじめに言ってしまうと「個人事業主の労災保険」というものはありません。
個人事業主の反対は法人の事業主ですが、個人と法人という会社形態によって加入する労災保険が変わるわけではありません。
独立して個人事業主として起業した。
最初に加入するのは「一人親方の労災保険」です。
ただし、独立して最初から従業員を雇っているのであれば、加入するのは「中小事業主の特別加入」です。
個人事業主で一人親方労災保険に加入していた方が、法人なりをしたから中小事業主の特別加入に切替する、という話を耳にしますが、これは間違いです。
法人なりをしても、従業員を雇用せず、自分一人で(または、家族のみを雇って)仕事をしているのであれば、一人親方労災保険のままで良いのです。
中小事業主の労災保険
中小事業主の労災保険は事業規模が、「雇用する労働者が300名以下」であるものに限ります。
つまり、前提として「労働者を雇用している」ことが重要です。
従業員を雇用していない事業主は一人親方になりますので、加入する保険は一人親方労災保険です。
反対に、従業員を一人でも雇ったら中小事業主の特別加入への切替が必要です。
アルバイトを雇ったら切替が必要?
従業員というのはアルバイト、パート、正社員などの種類を問いません。
雇用保険は雇用形態によっては加入する必要がありませんが、社長の労災保険の切替は必ず必要です。
これまで労災保険の特別加入をしていなかった社長がはじめてアルバイトを雇用したという場合は、中小事業主の特別加入に加入しましょう。
一人親方労災保険に加入していた社長は速やかに切替をしましょう。
RJCは一人親方の労災保険も中小事業主の特別加入も取り扱っていますので、切替手続きも簡単です。
もしケガをしたら・・・従業員の労災はどうなるの?
社長が従業員を雇ったら、一人親方から社長の労災保険に切替えることは分かりました。
では、雇っている従業員がケガをしたらどうなるのでしょうか?
安心してください。
もし、社長と一緒に現場に入る従業員がケガをした場合、元請けが現場ごとにかけている労災保険を使うことができます。
元請けは工事を始めるにあたり、必ず工事ごとにかかる労災保険料を国に納付しなければならない義務があります。
いわゆる、「現場労災」といわれるものです。
ただし、この現場労災は一人親方や従業員を雇っている社長は使えません。
雇われている労働者だけが使うことのできるのが、現場労災なのです。
だからこそ、一人親方や従業員を雇っている社長は特別に加入する「特別加入」が必要なのです。
一人親方団体で切替できる?
一人親方労災保険の加入受付をしている「一人親方組合」は中小事業主の特別加入を取り使っていません。
中小事業主の特別加入をするには、一人親方組合ではなく「労働保険事務組合」に加入する必要があります。
RJCは一人親方組合と労働保険事務組合の両方がありますので切替ができます。
しかし、ほとんどの一人親方組合は労働保険事務組合を併設していません。
その場合は、せっかく加入していた一人親方労災保険を解約して、新たに中小事業主の特別加入ができる団体(労働保険事務組合)を探さなくてはなりません。(一人親方組合は中小事業主の特別加入ができる団体を紹介してくれません。)
会社が大きくなれば従業員の雇用は必須ですので、はじめから切り替え手続きのできる組合を選んでおいた方が良いでしょう。